「もっと早く相談していれば…」を防ぐために

相続税と認知症対策を同時に考えたご家族の事例

こんにちは。
相続のご相談を受けていると、「まだ親が元気だから大丈夫です」とおっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。

確かに、お元気なうちは相続の話を切り出しにくいものです。
ですが、相続対策は「元気な今」だからこそできることがあります。
今回は、実際にご相談いただいたご家族のお話をご紹介します。

※内容はご本人の了承をいただき、一部内容を変更しています。


「相続税も気になる。でも、一番心配なのは認知症でした。」

相談に来られたのは50代のAさん。

数年前にお父様を亡くされ、現在は80代のお母様がお一人で暮らしています。
お母様はとてもお元気でしたが、Aさんには二つの心配事がありました。

一つ目は相続税です。

ご自宅と預貯金を合わせると、相続税がかかる可能性がありました。

そして、もう一つ。

実はこちらの方が大きな悩みでした。

「もし母が認知症になったら、銀行のお金はどうなるのでしょうか?」

最近はテレビや新聞でも「資産凍結」という言葉を目にする機会が増えました。
認知症などで判断能力が低下すると、本人の財産を自由に動かせなくなる場合があります。

介護費用や施設入居費用が必要になっても、家族だから自由に預金を引き出せるとは限りません。

Aさんは、そのことをとても心配されていました。


一時払い終身保険という選択

そこでご提案したのが、一時払い終身保険でした。

お母様の預貯金3,000万円のうち、500万円を生命保険へ移す方法です。

契約者・被保険者はお母様。
死亡保険金受取人はAさんです。

この方法には、大きく二つのメリットがあります。

① 相続税の非課税枠を活用できる

生命保険には、
「500万円 × 法定相続人の数」
という非課税制度があります。

今回は法定相続人がお一人だったため、500万円まで非課税で受け取ることができます。
現金として持っていた場合は課税対象になるお金も、生命保険を活用することで非課税枠を利用できました。

② 認知症対策にもつながる

私が一番大きなメリットだと感じているのはこちらです。

万が一、お母様が認知症になり、そのままお亡くなりになった場合でも、死亡保険金は受取人であるAさんへ直接支払われます。
遺産分割協議を待つ必要もなく、葬儀費用や当面の支払いに充てることができます。

「家族に迷惑をかけたくない。」
そんなお母様の想いを形にする方法の一つだと感じました。


相続対策は「税金対策」だけではありません

私は相続相談をしていて、いつも思うことがあります。
相続対策というと、「いくら節税できるか」に目が向きがちです。

もちろん、それも大切です。
でも、本当に大切なのは、残された家族が困らないように準備をしておくことではないでしょうか。

必要なお金をすぐに使えること。
家族が慌てなくて済むこと。

そして、「ここまで考えてくれていたんだ」と家族が安心できること。
その安心こそが、相続対策の本当の価値だと私は思っています。

よくあるご質問(Q&A)

一時払い終身保険は、誰でも加入できますか?

基本的には加入できますが、年齢や健康状態によっては加入できない場合や、保険会社ごとに条件が異なります。
また、保険料や保障内容も商品によって違いますので、ご自身の状況に合った商品を選ぶことが大切です。

生命保険にすれば、すべて相続税がかからなくなるのですか?

いいえ、すべてが非課税になるわけではありません。
死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」という非課税枠があります。この枠を超えた部分は相続税の対象となります。
また、契約形態によって税金の種類が変わることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。

認知症になる前でないと対策はできませんか?

はい。ご本人に十分な判断能力があるうちでなければ、多くの相続・財産管理対策は行えません。
認知症などで判断能力が低下すると、生命保険への加入や生前贈与、家族信託などが難しくなるケースがあります。
そのため、「まだ元気だからこそ」早めの準備が重要です。

相続税がかからない家庭でも相談したほうがいいのでしょうか?

もちろんです。
相続対策は、相続税対策だけではありません。
遺産の分け方や認知症への備え、財産管理、家族間のトラブル防止など、税金がかからないご家庭でも準備しておいた方がよいことはたくさんあります。
「相続税がかからない=何もしなくていい」ではないのです。

何から相談すればいいのかわからないのですが、大丈夫ですか?

はい、大丈夫です。
実際にご相談いただく方の多くが、「何を聞けばいいのかわからない」という状態からスタートされています。
ご家族構成や財産の状況を一緒に整理しながら、必要な対策があるかどうかを確認していきます。
「まだ相談するほどではないかも」と思う段階でも、お気軽にご相談ください。

親が元気な今だからできることがあります

認知症になってからでは選べない対策があります。
相続が発生してからでは間に合わない準備があります。

だからこそ、私は「まだ早いかな」と思うタイミングで一度ご家族と話し合っていただきたいと思っています。

「うちの場合はどうなんだろう?」

そんな疑問があれば、お気軽にご相談ください。

ご家庭によって財産も家族構成も違います。
一緒に、そのご家族に合った方法を考えていきましょう。

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